その夜も整備作業を終えたのは日をまたいで24日の夜中1時半。 その昔、流行ったリゲインCM 『24時間戦えますか』 が合言葉だった老人は深夜まで作業してもヘッチャラです。 ただし、その翌日は丸一日寝込みはしますが。。。
さて、海上保安庁からの電話に驚きました。
2024年5月23日22時22分 携帯電話が鳴る。03東京からの着信。
う~ん、東京からこんな時刻に電話とは?
『海上保安庁です』
てっきり、尖閣諸島へヨットで行くので護衛してもらえる話かなと思って、いつもの通り 相手の用件も聞かずに 勝手に話しはじめました。
『夜遅くまでご苦労様。まだ出航しませんよ。ただいま相生野瀬ボートパークで整備中で 28日に姫路の木場ヨットハーバーに回航し 週末に 上架して 船底作業の予定です。尖閣に行く時期はまだずっと先です。』と
相手はそんな話には興味がない様子で、
『PLBの遭難信号を受信しています』
ギョギョ 海上保安庁担当者の話をよく聞いてみると、要は、私のPLBを見てくださいとのこと。
私が着用している救命胴衣の左胸に入れているPLBを取り出して、びっくり アンテナはきちんと収納されたままで その下のストロボライトが見えていて それが点滅している。 ということは私は助けてとSOS発信しているというわけ。
私は作業するときはデッキでもキャビンでもポンツーンでもいつもこのPLB入り自動救命胴衣を着用しています。(姫路の的形に槍付けで係留しているときに深夜、バウから2回も落ちそうになってから、いくら人に笑われても、私はポンツーンでもいつでもPLB入りライフジャケット着用を励行してます。)
ところが、SOS発信を止める方法を知りません。 電話の先の保安官に聞いても知らないとのこと。
取説ファイルは家の本棚に入れてきたので 取説も手元にはないし。
老眼強近視なので、眼鏡をはずしてPLBの小さい字を凝視しても 触れられるところはアンテナと発信ボタンとテストボタンぐらいなので、勘で とりあえず発信ボタンを押し続けると しばらくしてから保安官から『止まりました』との返事あり。
保安官によると、誤発射は結構あるそうです。
自宅ですかと聞かれたので、いいえ、ヨットの中です。。。そのあといろいろ説明と質問。。。
SOS受信時刻を聞くと22時過ぎだったとのこと。(ということは、SOS受信してから私や家内や親族に電話で問い合わせまでに20分以上もかかるシステムか。これでは落水してPLB発信しても水温によっては低体温ですでに仮死状態だったかも)
それにしても不思議です、アンテナも出していなければ、発信ボタンも 押していないのに 勝手にSOS発信するとは。 PLBはEPIRBと違って水に濡れただけでは発信しない機器で、ボタンスイッチを押さないと作動しないはず。
翌朝、購入先の舵社に電話すると、A課長の模範対応に感心しました。 モノを着払いで送ってください。 新品交換品を無線局変更申請書と一緒に送りますとのこと。 やっぱり正規品を正規ルートで買うと安心ですね。 アメリカよりもPLBはずっと価格が高いですが、この安心感には代えがたい。
舵によると、アメリカの事例では、ズボンのポケットに入れて陸上で使っていて、発信ボタンがアンテナカバーの上から強く押されたために発信されたことがあるそうです。私は胸に入れていただけで、そんなに力強くマストも女性も抱擁してませんし、エンジン覗き込むときにどこかに当たったとしても そんなに強い力じゃないし。いつもやってることですから。この誤発射はなぜだったのでしょうか?
電子製品などは もともと完全なものはないでしょうし、最近は何でもかんでも 中国製ですから信頼性など高いはずがありません。なにより緊急用ですから 発信しないよりも 発信してくれたほうが安心ではあります。 よって発信したことは よしとします。
アンテナが収納状態で小さく曲げられたまま発信したためSWR値は高かったはずですし、終段回路に負担がかかったかも。電池も継続発信で消費したので、電池交換と回路確認と誤動作原因究明をお願いしたところ、舵担当者はPLB自体を新品と交換してくれるとのことでした。 これで28日からの回航で使えるのでとてもありがたい対応です。
昔、よく軽飛行機を飛ばしていた頃は 飛行機のELTはハードランディングすると発信することがあるので 生徒が酷いランディングをすると必ず121.50MhzAMを聞いて誤発信していないことを確認してました。 PLBも発信周波数を聞けば 自分でも発信確認できたはずでは。何か音が聴こたのかな? 昨夜はそこまで気が回りませんでした。次回?に備えて周波数を聞く準備をしておきます。
結論: 1.PLBを買うなら正規店から。 舵社からの購入は正解だった。 2.PLBやEPIRBの発信確認ができるように予め無線機に当該周波数を即座にワッチできるようにメモリーに入れてみヨット。 3.PLB発信からの救助では救命には間に合わなくても それでもGPS位置情報により遺体発見には絶大な効果があるはず。 4.救命の確率を上げるためにもイマーションスーツを買っておいてまさかの場合にそれを着用して救助されるまで体温を温存できるようにすること。(ゴールデングローブレースでは、実際に着用訓練をして、ヨーロッパ基準を満たすものを搭載することがレース参加の必須条件) 5.法定備品や緊急用装備品の取説を読み直して操作方法を覚えること。 6.取説ファイルは艇に置いておくこと。
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