辛坊治郎さんの報告会 失敗を開示できる辛坊さんはやっぱり偉い!

ボート・ヨット

2023年1月22日 午後1時から大阪淡輪で辛坊さんの報告会を 部外者だけど外洋を夢みるオッサンだからと同情していただいて特別に聴講させていただいた。 招待してくださった一文字のSさんにただただ感謝。

2021年、私が 太平洋横断を記した辛坊の旅という動画をIpadで観ていると 家内が動画からの音に反応して、その人の語り口はとても上手だとのコメントあり。ヨットを知らない人にもよくわかるような丁寧な説明だし、横で聞いていても自然に内容が頭に入ってくるからすごいね。その人、誰?と。

同じソファで青山繁晴議員のぼくらの国会の動画を観ていると、今度は逆で、家内も子供もその人の話し方はお父さんとそっくりで人を不愉快にするねっとのコメントあり。 (ムッとするが、そうかなとも、反省)

さて、今回のは動画でなくて、講演でもなく、ヨット仲間への生の報告会。 確かに聴きやすい。 話し方はとても早口なのにすべて聞き取れて、ユーモアのセンスとよく考えれらた、練られた訓練された内容に感激。 彼の『本音の報告』は、著書やyoutube動画や おそらく他の講演会では聞けない、同じヨットマンにだけに吐露した内容で とにかく圧巻でした。 先にご自身がクルーザー素人であると断ったうえで、その失敗を敢えて開示して共有する彼の寛大さと彼の人生の成功者としての強い自信を感じました。

彼のコメントと(私が今後すること。学んだこと。)

1.これから太平洋に出る人はモノの固縛が重要 (自分の飛行機での経験から少しでも無重力状態になれば何でもかんでも簡単に飛びまくることは分かっている。でも、やっぱり自艇でも船内外のラッシングやネットが甘い。上下逆になっても、無重力になっても飛び回らないように、より慎重かつ厳重にラッシングすることと、そしてそれができるようにたとえインテリア美観が犠牲になってもアイストラップやDリング等を取り付けていくことにする。)

2.走錨や座礁もありうる (座礁することを前提に心技体の準備を先にしておくこと、私も独りで友が島近辺でアンカリングしてみヨット。)

3.太平洋を日本からアメリカに向かうのはアホ、無寄港世界一周はもっとアホ。【過酷な航海なだけだから】貿易風を活用するのが賢い航海法。太平洋を渡りたいならアメリカで安い船を買って、風に乗って帰ってくるべき。  (これまでに同様の航海をなさった人からも聞いた通り。jimmy cornellのworld cruising routesのルートを参考にすべき。太平洋でアメリカに向かうならアリューシャン沿いに行こう。)

4.風に聞けばの本は 8刷以降のを買ってください。それまでのは誤植が多すぎるので。 (加東市の図書館で買ってもらってから読もう)

5.ウィンドベーンWindpilotの使い方、とくにこの機種の場合は艇のラダーを中立位置で完全固定することが重要 (20日にたまたま須磨にある中古UK製ウィンドベーンを見に行ったところだったので、使用方法とトリムの方法が聞けて良かった。ネット取説を読んでもピンとこなかったが、hydrovaneとwindpilotの使い方がようやくよくわかった。日本ではそれほどウィンドベーンが使われていないが、子供の時から読んでいるキールボートの本ではよく書かれている。もう少しウィンドベーンを勉強せねば。特にどこが壊れて、どう直すのか。GGRゴールデングローブレースでもウィンドベーンが故障してリタイヤが多かったとのこと。)

6.クロースホールドで上っているとひどく叩かれて寝れない。 (波に合わせてほんの少し10度20度ベアするとずっと快適にできる。気楽な一人旅なのだからVMGを稼ぐよりも快適であることが重要。)

7.ジャイブ プリベンター用に長いロープが無かった。 (予めジャイブプリベンターを設置してから出航、かつ予備の長いロープを必ず艇に載せておくこと。)

8.  レイマリンST7000?7500?は素晴らしかった。ST1000とか2000とは別物。 (私のはティラー式の非力な安物しかないので、無理せずに、ちょっとだけ使うようにする。主にはウィンドベーンで。ウィンドベーンはやっぱり予備として2台同じものを持っておくべきかも。ST2000ももう一台確保しておこう。)

9.windyはwifiがないと見れない。だから悪天候を避けるのはまず無理。安定した貿易風だけ航行するのが賢い。高気圧の強風はたかが知れているのでずっと快適、ただし低緯度ではとにかく暑い。 (ネット環境を確保できなければHFで天気図を入手。でも確かに高気圧のいつも流れている貿易風を利用するのが賢いかも。12Vや乾電池式扇風機や団扇や日陰用黒ネットはすでに入手済み。)

10.トラブル必須 (燃料タンクの内外の固縛、スルハル、ビルジつまり、スプレッダー支持材の破損、スタンションがズボズボ、いろいろあるはずなので、頻繁に状態を確認する癖をつけて、飛行機整備のように予防的に整備しておこう。)

11.順風満帆のときこそ、精神が病み始める。【教育】(今日行くところ)と【教養】(今日の用事)が重要。ヨットのように揺れない自宅で寝ることをただただ願って生還を果たせた。 (古文で習った『高名の木登り』を思い出して、気を抜かずに、毎日やるべきことを淡々と続けること。)

12.長期航海では筋力低下が致命的、到着したとき立てなかった。筋力が落ちると膝も痛い。  (JAXA元医長の先輩によく聞いて、自艇での長期航海中にはしっかり対策しヨット。)

13.日本でセーリングが先細りなのは、若者の貧困が原因。 強烈な漁業権や利権はみんなが騒いで改善すべき。(確かにヨット買うよりも車も買えない状態の経済状況になりつつある若者が多いのだ。 強力すぎる所有権や不正補助金や腐った利権が多すぎる。だから私は日本を変えるには与党自民党の内部からと叫ぶ青山繁晴議員事務所から自民党員なったのだ。どうにかしてくれ、何とかしてくれこの日本を、政治家諸君!)

14.キールボートレース艇がスタートラインに殺到するのが怖い。 (私はスキッパーでないですが、やはり同感。あの巨大なレース艇を数センチまでピッタリつけて競いながらスタートさせる度胸は私にはないと思います。自艇でそこまでのリスクを冒すことを正当化できないのです。)

15.レーダーは良い。 (既にJRCのを購入済み。)

16.加太瀬戸まで風速30ノット越えなのに迎えに来てくれたヨットに感謝と淡輪のヨット乗りはすごい。あんなに風が強くても平気でハーバーを出入りしているから。(私もそうなりたい。軽飛行機だったら30ノット越えぐらい平気で離着陸してたけど、推力が非力で風の影響をもろにうけるのだから、少しぐらい練習しても、いつまでたっても離着岸はヒヤヒヤなのです。だからこそ岸本さんはいつも無理せずに微速前進後進で安全なのだとむしろ褒められたこともありましたが。。。大激突しないだけましか。でも、いつかはセールだけでどこにでも停められる華麗なキールボートヨット乗りになりたい。)

私が思うに。辛坊さんはきっと、たかが、ヨット。たかがキールボート。最初はだれでも失敗するのが当たり前。 知っているか知らないかぐらいの知識は、1冊の本や薄っぺらい聞いただけの情報があるかないかの違いに過ぎない。 未経験だからとかこんなことも知らないのかとバカにするのは簡単だけど。 そうじゃない。 最初から知っている人なんていないのだから。素人がクルーザーやって何が悪い。失敗して体で学ぶものだ。自分の専門分野では誰にも負けないぞという自信があるからこそ、たかがヨットの失敗経験ぐらいは惜しみなく披露できるのだろう。辛坊さんにただただ脱帽。

その通り!

素晴らしい1時間15分でした。 辛坊さん、たくさんの貴重な失敗談どうもありがとう~。

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プロフィール
元ヒコーキ野郎

2023年10月現在、忠臣蔵で有名な播州の片田舎に住む。GOING GREENな農民。趣味は狩猟・射撃・釣り・カヌー・ヨット・航空機操縦・アマチュア無線(JE3LJK)・薪ストーブ。ヨットで2023年中に日本一周、コロナ収束後にシングルハンド世界一周を目指しています。最近特に凝っているヨットを中心に、日頃の感謝とボヤキを綴ります。少しだけ政治や世相も批判しますがどうかお許しください。(プロフ写真は最初に飼った鳥猟犬ブリタニースパニエルのベッカム号)

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