最初に習ったのはレーザーだと思っていたらボンバルディア製のディンギーだった。Bombardierって飛行機では?

1979年私が17歳の時に生まれて初めてディンギーに乗った。

当時は(今もかも?)メイン州は日本にはそれほど馴染みがない州。

あえて言うなら、唯一、ペリー提督が亡くなって葬られた地であることぐらいかな?

アメリカ メイン州 リトル シィベィゴー湖(メイン州の地名は現地での発音から程遠い日本語表記が多いのでsebagoをセバゴとかセベーゴと誤記していることが多い。なお『13日の金曜日』の小説のモデルになったのは隣のSebago lake シィベイゴー湖のはず。)そのLittel Sebagoの湖畔に友人家族が所有する別荘でひと夏ディンギーに興じた。

夏から秋まで、学校があってもなくても 平日でも 週末でも 暇さえあれば 友人兄弟と私の3人で湖の彼らの別荘にジープで乗りつけて ディンギーで遊ぶのであった。 当時のメイン州は 夏はとても蒸し暑くて 活動して火照った体には 湖の冷たい水温が ちょうど良い加減だった。 わざと突風を待ってベアせずメインシートも緩めずに 極限までヒールさせて ディンギーを沈させて 冷たい水につかるのが楽しくて楽しくて仕方なかった。 45年以上経った今でも3人のあの笑い声が私の脳にはっきり残っている。

(そのおかげか、大型レース艇で90度横倒しのブローチングしても、私はワクワクするだけで実は怖くないのです。子供の時の あの楽しい印象しか頭に残っていないので 沈しても全く平気なのです。むしろ嬉しいのです。 波浪でヨットがいくら揺れても楽しくなるだけ。バカでしょ。)

昨日まで、私はあの夏、乗っていたディンギーはレーザーだと思っていた。当時はディンギーの名称も型式には興味がなかったので いい加減に記憶してしまっていたのかもしれない。水上スキー用に使っていたモーターボートのメーカーも馬力も覚えていない。

ところが、昨日、同級生の彼がアメリカの貨物便の機長となって大阪にやってきた。(ちなみにアメリカのパイロットで年収が一番高いのは旅客機ではなく貨物便の機長だそう、夜中も米国内でも海外でもずっと飛んでるからとのこと) フェリーのさんふらわ丸が見える喫茶店でcostaコーヒーを飲みながら、彼に聞いたら、あのディンギーはレーザーではなくボンバルディア製だったのこと。

Sailing the Bombardier Invitation

ボンバルディアって飛行機の製造メーカーじゃないの? 聞いたら、当時はディンギーを作っていて、レーザーに対抗して作っていたとのこと。 彼の父親はディンギーが大好きで亡くなる直前の80歳代でもディンギーレースをしていたとのこと。湖のディンギーレースの優勝カップが彼の実家にはあるとのこと。だから、若い時には、最新鋭のディンギーやモーターボートを買って 子供たちに使わせていたのだろうとのこと。

第二次世界大戦で陸軍のパイロットでもあって、私が90年代にメリーランド州でアクロバット飛行の練習を始めたと聞くと、 教官風に『宙返りしたときの頂点では どっちのラダーを使うのが正しい操作か?』と会うたびに私に同じ質問を笑顔でしてくる茶目っ気一杯の元戦闘機乗りだった。

メイン州であの夏、ディンギーで一緒に遊んでいた同級生の彼は メイン州の商船大学を航海士として卒業したあと ご尊父と違って海軍の航空パイロットとなり 30年前に退役して貨物便民間パイロットになったのである。第一次世界大戦から3代続いての軍人パイロット家系とのこと。 私がFAA計器証明を取った後、FAA事業用を取るために必要な飛行時間を積み上げている頃、彼はちょうど民間に雇われるまでの待機(失業?)期間中で メイン州ポートランドやサンフォード空港で私の自家用パイパー・ワォリヤー2に一緒に乗ってプロの軍人技を伝授してくれた。

その親友と大阪湾の船を見ながら懐かしい昔話に花を咲かせた。

最後にスマホ写真を撮ったら、二人とも老いていた。気持ちは40年前と変わらないし、そんなに老いた気はしていなかったのに。

彼が言うには、『年老いた感じなんか全くしなくて常に若いと感じている。ただし、鏡を見るまでは だが。。。』 彼は父親譲りのユーモア満載。 45年前と同じようにいろんな話で笑い転げた土曜日でした。子供の時の友達は 何年もたって お互いにどんなに老いても やっぱり子供のままでした。

帰りに一文字ヨットクラブに寄ってみる。Jさん、Kさん、Sさんにご挨拶。みなさん楽しそうに宴会中でした。10分ほどの滞在でしたが、ソフトドリンクをいただきました。ポンツーンの再整備作業をなさった後の慰労会だったようです。私は西宮北口で家人をピックアップするので早々に失礼しました。

さぁ、明日は相生で台風用の養生と整備しヨット。

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プロフィール
元銀行員 元ヒコーキ野郎 元会社経営者
あげは岸本

『忠臣蔵』で有名な播州の片田舎に住むGOING GREENな農民。 趣味は狩猟・射撃・釣り・カヌー・ヨット・航空機操縦・アマチュア無線JE3LJK・薪ストーブ。 ヨットで日本一周、シングルハンド世界一周を目指しています。  最近特に凝っているヨットを中心に、日頃の感謝とボヤキを綴ります。少しだけ政治や世相も批判しますがどうかお許しください。

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