冬のヨット 必携品 FFヒーターがないAGEHA号ではやっぱりハクキンカイロと極寒用寝袋

某航空会社ではうるさい客を UUUと うるさい うるさい うるさいと略号で区別するそうです。(誤解のないように、私は航空会社には所属したことなど一切ありません。ただの噂です。)

暖房器具にUUUの私です。まず自宅、

当地(旧兵庫県加東郡東条町)では雪はまず降らず、雪が降らないからか余計に寒く、氷は厚いです。

神戸港の北15マイル(海里)の丘陵地帯で標高はたったの80mですが、残念ながら盆地の底です。

冬には零下10度にもなります。記憶に残っている最低気温は車の外気温表示で 『マイナス12.2 度』でした。

地元の人間もそんなに下がっているとは知らないのですが、町内に13もゴルフ場があるのでグリーンキーパーさん達に聞くと彼らは百葉箱で温度を毎日チェックしているのでマイナス10度以下にもなることをよくご存じです。

今朝もマイナス4.8度です。

そんな厳寒地ですからこそ、温暖な東京からUターンしてきた私たちは築100年以上の古家を暖かくしようとしました。

輻射熱が好きな私の暖房具選好順位 

第一位 コロナ社製の床暖付きFF式輻射タイプ灯油ストーブ

北海道の薪ストーブ会社社長オススメで、帯広のホーマットで買ってきました。確かに強力でとても暖かくて、快適! 薪ストーブよりもずっと楽。でも、自分で灯油を大きなタンクに補給するのが段々億劫になってきました。それと夏でも大型ストーブはスペースを取ること と それほどデザインが美しくないことが難点

第二位 パネルヒーター 

8台ぐらい使っていましたが電気式のオイルヒーターは電気代がベラボーに高くなるので、子供たちが小さいときに安全な暖房機として数年使っただけでした。北米や大学寮に設置されていた窓下のセントラルヒーティング不凍液循環タイプが本当に好きでした。

第三位 薪ストーブ

ヨツール2台とダッチウェスト1台の3台ありますが、2011年の東日本大震災の頃は防災用にもなると自慢気に裏山の木を森林組合に毎年切り出してもらって莫大な量の薪も作りましたが、もう飽きました。薪を作る作業で小さな怪我はつきものですし、使えば使うほど灰がたくさんでますしその処理が大変です。部屋も粒子が細かい灰ホコリだらけになります。重労働はもう嫌なので客人があるとき以外はまず使いません。趣があって炎が美しいから田舎の良さを知ってもらうための博物館展示品的存在。

最下位は電気式の普通の輻射熱など全くでない空気を温める家庭用エアコンです。

でも、これが今のメイン暖房機です。『楽』だからです。加齢とともに邪魔くさいもの 面倒なものは避けるようになりました。

問題は、北海道東北用の寒冷地仕様ではないので、零下なので 隙間だらけの釘無建築の古家ではたいして温まりません。。。

結局、母屋の隣に断熱が良く効く小さな家を建てて 普通の電気エアコン。。机の脚元に電気式ヒーターが 小市民たる現在の私の落ち着きどころです。

さて、本題のAGEHA号。 2019年4月上旬、オリオン兵藤さんにナウティキャットに10日間も乗せてもらって、感動しました。ヨット内がどこでも暖かい。全室FFヒーターの暖かい優しい北欧の輻射熱の香りがするような暖気が出てくるのです。快適そのもの。私の電気家庭用エアコンよりずっと暖かいのです。あるいはヨットは海の中だから、もともと早春でも暖かいのかな~。私の住所地の気温と違って海水温が高いからかな~とも思ってました。

そして、2021年11月下旬、ずっと修繕待機中のAGEHAで2回目のお泊り。(1回目は徳島橘湾からの回航前日の真夏の7月17日)

FFヒーターはなくてもわが盆地の東条と違って姫路市的形は比較的暖かい海水があるからそれほど寒くないだろうと、冬のヨット泊をなめていました。

周りは海だし、気温も東条よりも6度も高くて摂氏8度ぐらいだから、摂氏10度対応の3月にコーナンで買った寝袋と防寒着の上下厚着でなんとかなるだろう。

ところが結果は悲惨。右舷クオーターバースは横面は1枚張りなので寝返りを打つと手足肩から薄いコーナン寝袋経由でハル外側の低い海水温を感じる。漂流中の遭難者が体温を海水に奪われ低体温症になるがごとく 震え出して、全く寝られない。『足先が、脚が、上半身も、全部さぶぅ~。なんでこんなサブいねん』と朝まで独り言。緊急用にと艇内に備えていたホッカイロを4枚全部も貼っても既に体が冷たくなってしまったからか死にそうなぐらい寒いままだった。 艇内は外気温と同じ8度。 湿度90%。 このヨットのバースって最低やん。 狭いし 寒い 寒い 寒い。 7月は暑い 暑い 熱いだったけど。

家にも戻ってネットで検索、何とかヨット自体を暖かくする方法をと。 オリオン兵藤さんの石油ストーブREDSUNさんの中華製FFヒーターの記事も拝見させてもらったが、やはり事故事例も検索で引っかかってきてCO中毒が怖くて。ヤマハ25-2には電気毛布つかうほどの電力はどう考えても賄えないし。 簡易にあたためる方法がないかと~。 昔ながらの豆炭カイロもあるけど、あれこそCOが怖いな~。 湯たんぽもあるけど、お湯を沸かしてお湯を入れるのは揺れるヨットで大量の熱湯を扱うのは危険だろうし。 とにかく『楽』でないと続かないから 何かないかな~怪我しない死なない暖房方法。

そしたら ありました。 ホッカイロではなく、白金カイロ HAKKIN WARMERが。 イノシシ猟の先輩に話したら、それは昔はみんな使っていたよ。低温火傷に気をつけて。とにかく熱いから。ホッカイロの何倍も熱いから。ベンジン臭いよ。と教えてもらいました。

大阪のハクキンカイロ本社に直接電話して3種類1個ずつ と それぞれの予備の火口を1個ずつ と 燃料のベンジン4本を購入し一緒に送ってもらいました。なぜか会社のネットショップでは売り切れでしたが電話すると『各1個ぐらいなら送れますよ』全然大丈夫とのこと。どんな在庫管理なのかと不思議だけど、客をみて的確に商売するのは、むしろ商売人らしくて良しとしましょう。

なお、3つmini,standard, giantとも本体は韓国製で、白金部分のヒグチは日本製だそうです。(ネットの噂ではGIANTの箱の色で韓国製のは色が違うとか書いてありますが、ハクキン本社によるとそんなことはないそうです。)

これぇね。間違いなく、正解です。両胸のポケットとズボンの前ポケットに入れておくと。常夏ハワイになります。血管血液が全部温まってちょうど温泉に入っている感じかな。ただ、有害?なベンジンの臭いはしますので屋内ではなく艇内ではなく、デッキ・コックピット用かもです。(臭いが気にならなければ あるいはあの匂いにある程度慣れれば 艇内でも使えます。差し板washboardを開けて使ってます。でも、寝袋内は不可です。とても臭くて気分が悪くなりましたから。)

今は、レースの時も、ヨットの修理作業のときも、狩猟のときも、とにかく外ではいつも使ってます。周りからはただのベンジン臭いおじさんでしょうが。。。(ベンジンの有害性は私は研究してませんので 使用を私からオススメできるのは 妊婦でもなく若くもない とりあえず片足を棺桶に入れているぐらいの年代以上の人です。まぁそもそも若いとそれほど寒さは感じないでしょうからこんなものは不要でしょうが。)

続いて 寝袋。 寝袋の温度表示が10度もサバ読んでる(最近はサバではなくて焼津のカツオと書くべきかも)とは知りませんでした。 外気温0度、艇内も0度ですので、思い切ってマイナス15度用のを入手しました。メルカリで中古品の極上品を格安にしてもって。

ジャジャジャジャーン    

イスカのスーパースノートレック1500という巨大な寝袋をゲット。これは大きくて持ち運びには不向きです。燃料臭くなるアゲハ艇内に入れておくのにはもったいないですが、仕方ないのでVバースに鎮座しています。同時に同じくイスカの800N(左の写真の右側)も入手。

これらは、とにかく とにかく暖かい。 (家で使うと暑い。)

AGEHAで 2021年12月中旬に3回目のお泊り実験 (いつもAGEHAでは独りぼっちで寝ています)

快適そのもの。日本沿海では夜間航行をしないつもりなので、睡眠中の激しい揺れはそれほど想定していません。ベッドは大きい方が好きです。特に狭い狭いクオーターバースから yamaha25mk2はエンジンが艇の前方にあるので、文字通りエンジン上のバウに広いVバースがあって、そこに移ってからは、寝る位置が高くなって冷たい海面から離れました。かつ このsuper snow trek 1500とキャンプラボ800Nを合体させてクイーンサイズにすると寝袋の中で自由に寝返りが打てて快適そのもの。 800Nを敷布団側に、1500を掛け布団側に。手足肩がハルにあたっても分厚い寝袋経由だから寒くないのです。白金カイロはベンジン臭いので、ホッカイロを首の後ろに貼って眠ると、11月と違って天国気分でぐっすりと朝まで眠れました。寝袋が大きいので頭も全部気持ちよくsnugして入っちゃいますから こたつの中の猫の気分です。 朝の外気温・艇内温度は0度でした。 朝は独り言で 我が家のネコの真似して『ニャオ~ン』と言いながら起き出しました。

さぁ寒さ対策は出来上がりました。これで今年の北海道一周の際の道東でのヨット泊の寒さ対策には準備万端です。

次は、結露対策だ。 的形をホームポートになさっていた『アストロ』の神田さんの『二人だけのヨット旅行(上)(下)』結露が最悪とのことは読んでましたが、こんなにひどいモノだとは知りませんでしたから。

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プロフィール
元銀行員 元ヒコーキ野郎 元会社経営者
あげは岸本

『忠臣蔵』で有名な播州の片田舎に住むGOING GREENな農民。 趣味は狩猟・射撃・釣り・カヌー・ヨット・航空機操縦・アマチュア無線JE3LJK・薪ストーブ。 ヨットで日本一周、シングルハンド世界一周を目指しています。  最近特に凝っているヨットを中心に、日頃の感謝とボヤキを綴ります。少しだけ政治や世相も批判しますがどうかお許しください。

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